挑戦的なウルトラ怪作
ウルトラマンブレーザー最終回から一ヶ月以上過ぎてしまったけど16話までの感想書いておきながら中途半端は良くないなと思ったので感想を書きたいなあと思います。
結論から言うとかなり面白かったです。ネクサスやシンウルに近いリアル寄りのSF系ウルトラマンということで満足度高めでした。以下は良かった点です。
良かった点
1.本作の怪獣の扱い
本作は田口監督がリアル怪獣優生思想じゃんとツッコミを入れたくなるくらい怪獣の扱いが凝っている印象でした。地球人と野生の怪獣の関係性が現実世界における人間と野生動物に近いものだったり、宇宙怪獣への理解度が地球怪獣への理解度と大きく異なっていたりと怪獣の扱いが田口監督作品の中では1番凝っている気がしました。
2.未知との接触
本作は全体的に未知という要素が強かった印象がありました。先程の宇宙怪獣への理解度もそうですが、ゲントとブレーザーのコミュニケーションやV99関連の話など謎を軸にしているところがあってそこがこれまでの作品にはない味で面白いなと思った。ネットとかだと縦軸周りの話があまりよくない印象があるけど僕的にはブレーザーのV99関連の話は結構好きなんですよね。星を継ぐものや三体といったミステリ系のSF小説のように真相は終盤まで明らかにならないけど徐々に明らかになっていく構成が好きなので、後続のウルトラシリーズでもまたミステリ要素のある縦軸の話が見てみたいと思いました。
3.特撮描写
前半はブレーザーやアースガロンの苦戦描写が強くてあまり楽しめなかったのですが後半はブレーザーが安定して強かったりアースガロンも活躍が増えたりしたのでよかったかなと思います。SkaRDとブレーザーが連携を取る描写も増えたりと楽しむことができました。
4.挑戦的な姿勢
M421という新しい星出身のウルトラマン、他作品どころか同族やニセトラマンが登場しない、新規怪獣が多数登場、隊長が主人公だったりとオーブほどではないにせよ斬新さのある世界観や設定なのがいいと思いました。だからこそ最終回のブレーザーの描写とか感動しちゃったんですよね。
不満点
ここからは本作に対する不満点を挙げていきたいと思います。
1.アースガロン
アースガロンについてはもう少し派手な活躍が見たかったなというのが本音です。強化形態が増えて強くなるという展開は燃えたんですけどなんかこうもう少し強くても良かった気がします。特空機が理想的なだけにそこは残念でしたね。V99から作られたという設定も唐突すぎたのでもう少し匂わせが欲しかったです。
2.説明不足
本作は良くも悪くも謎が強調された作品ではあると思うのですが流石にそれは説明不足じゃない?と思った点もありました。1つ目はモグージョンの幻覚から現れた暴れるエミ隊員。僕は伏線なのかなと思ったのですがその後は特に何もなく終わってしまったのでなんですか?これは感が強かったです。2つ目はファードラン関連の話です。ファードランの出自は謎でいいと思うんですけどカラータイマーの回復についてはちゃんと統一させてほしかったです。また、ファードランと関係のあるアオベタツキについてもちょっと説明不足に感じました。参謀長やドバシとの関係、幽霊なのかなんなのかよく分からない存在になっていたところとか掘り下げがあまりなくてモヤモヤしてしまいました。
3.コミュニケーション?
本作のテーマはコミュニケーションで僕も本作の描くコミュニケーションは理解したつもりではあるんですが空想と科学と友情のテーマ性通り、人間関係などの一般的なコミュニケーションの部分が分かりやすかったシンウルに比べると、本作のブレーザーはコミュニケーションという点が分かり辛かった気がします。未知の存在との付き合い方という点なら説得力はあるんですけど人と人とのコミュニケーションで言われると独断専行が目立っていたり上層部がヘイトタンクみたいに描写されていたりと噛み合っていない気がしました。
総括
•良いところと悪いところが分かりやすく出ているけどとても挑戦的で面白かったです。次作はどういう路線になるんですかね?次回作も楽しみです。今回はここまで。
引用元
https://m-78.jp/videoworks/ultraman-blazar/